Mojiko's へのへのライフ

引きこもり主婦の雑記

バニラエア車いす利用者の搭乗拒否について、考察してみた。

すいません、今回この関連ニュースを読んで。。。ええ?今時、車いす拒否なんかあるんだ。。。と驚いたへのへのもじこです。

私のなかでは、いろんな意味で驚きの事件。

 

私の率直な意見は、バニラエアあり得ない。です。

 

私はアメリカ生活がもう人生の半分程になります。アメリカでは違法行為にあたる今回のバニラエアの木島さんへの対応と、その事件に対する日本社会の反応。国によって色々違うものだな。。。と考えさせられてしまいました。

 

車椅子利用者と、社会の対応はどうあるべきなのでしょうか。。。?

 

www.huffingtonpost.jp

↑ 参考記事。

  

 

車いす利用者の木島さんが非難されている原因

彼を非難する意見は大体こんな感じかな、

      • 車いす利用である事を、事前連絡しなかった。突然車いすでこられても対応出来ない。
      • わざとメディアに取り上げられるようなパフォーマンスだった。
      • クレーマーだ。

まあ、確かにそういうところもあったのかもしれない。 が、、、

 

私が一番引っかかっているところは、そんな木島さんの人間性ではない。

車椅子利用者に対するの企業の姿勢。 

つまりですね、木島さんの人柄とか、クレーマー体質だとか、そういう事を論点にしたい訳ではない。彼の事はよく知らない。てか、あった事も無い。そんでもって、その場に居なかったので私には何も解らない。何も言えません。

 

しかし、われわれ、その場に居なかった人々が、このニュースに置いて、深刻に考えるべきなのは、

 

車いすを利用する人には、社会的制限がある。

という現実問題ではなかろうか。

 

車いすなんだから、格安航空を使うな。格安国空は、そういう設備と人員を削減してるから、格安なんだ。

というようなコメントも見受けられた。

 

事実、このバニラエアは事前連絡をしたとしても、機材を準備したとか、人員を配備したということはなく、事前にお断りされていただけという。。。

 

つまり、健常者じゃない人は、自分の好きなサービスを選ぶ事は出来ない。そういう設備のあるところだけに行け。障害者は障害者らしく、格安の恩恵を受けられるのは健常者だけだ。。。と言っているように感じるのは、私だけですか?

 

まず、飛行機に乗るのに車いすが使えない。というのは、ちょっと、あり得ない気がするのですが。。。

 

私も渡米して生活しているおかげで、飛行機に乗る機会は沢山あり、貧乏学生さながら、格安チケットにもさんざんお世話になっている。

 

しかしいつ乗っても、車いすを利用する人というのは居る。

 

足の悪い老人だったり、怪我をしてギブスをしている人だったり。また、飛行機内で気分が悪くなってしまった人だったり。

きれいなお姉さんに良いとこ見せようと、『あ、手伝いますよ。』と、パンパンに詰まったスーツケースを頭部にある収納庫に入れようと持ち上げた時に、持病のぎっくり腰が、再発。動けなくなる。といような可能性だって、、、十分にある。

こういう人達は、どうなるというのでしょう?

 

木島さんとは、状況が違いますか?何故です?かれが、障害者だからですか?

 

 

さて、おとたけさんは、2016年に施行された。(えらい遅い施行なんですね。。。)障害者差別解消法を持ち出しているが、、、健常者だって、急に車いすが必要になる状況はいくらでもあるのに、全くそれを想定されていないサービス、というのはあんまりにもお粗末だ。

 

じゃあ、奄美渡島の観光中、はめを外して滑って転んで大した事無いけど、両足骨折しちゃった。という事態に陥ったカスタマーがいたら、、、それでも、搭乗拒否をしていたのか?

 

もちろん今回このニュースが炎上したのは、下半身不随の人に自力で階段をずりあがらせてしまったという、、、カスタマーサビスに置いて、前代未聞の最悪な気分になる事件があったからであろう。

 

しかし、、、ここまで大きな問題になるまえに、他のエアラインの席を取るなどの代案はそのとき出なかったんだろうか? 

 

ただただ、搭乗拒否されただけであったのであれば、、、じゃあ、木島さんにどうしろっていうのだ? 一人で車椅子で、船から陸続きで帰れって?、、、もっと大変そうだし。そりゃ、その場で焦って揉めるよなあ。。。

事前連絡をしなかったからと言えど、後の祭りの状態の現場。。。なにが正しい判断だったのでしょうか。。。?

 

彼が自分の体を引きずりながら、誰の手も借りずに上っていったというのは最悪の結末だと言える。

 

アメリカでの飛行機への障害者の搭乗は?

 

私はアメリカに住んで十数年になる。正直言って、今回のニュースと、木島さんを非難する内容のコメントには正直ショック。

木島さんのように障害のある人は格安チケット購入すべきではないという、差別的な意見があるのが一番驚いた。

 

先程も書いたけれど、アメリカから飛行機に乗り降りする際、必ず車いすの人の補佐をする人が待ち構えている。ほぼ毎回必ずだ。高い航空チケットだろうが、格安だろうが変わりはない。大体、車いすの利用が珍しい事とは思えない。

 

なにがちがうのか?

 

簡単に言おう。アメリカには法律がある。

 

アメリカではいかなる航空会社に置いても、

車いすや、障害がある人の搭乗を拒否する事は、法律によって禁止されている。

 

つまり、アメリカだったら、格安チケットをかった木島さんは搭乗拒否をされることは無く、法律に守られ、安全に機内へ搭乗できていたであろう。

 

アメリカの運輸省である、DOTの上部ページにしっかりはっきり書いてある。

www.transportation.gov

The Air Carrier Access Act prohibits discrimination on the basis of disability in air travel.   The Department of Transportation has a rule defining the rights of passengers and the obligations of airlines under this law. This rule applies to all flights of U.S. airlines, and to flights to or from the United States by foreign airlines.  The following is a summary of the main points of the DOT rule (Title 14 CFR Part 382).

 

ま、簡単に言えば、障害を理由に渡航を制限する事は許されない。これはアメリカを渡航する全ての航空会社に適応する。

つまり、アメリカに飛行機を飛ばしている親会社のANAもこの規則は守っているはずである。

 

単純に言えば、バニラエアの搭乗拒否はアメリカではありえない。今回はカスタマーが日本人だったが、、、相手がアメリカ人だったら、国際的に赤っ恥をかく派目になってたかもしれない。

 

ちなみに、アメリカは飛行機だけでなく、ありとあらゆるリテイルショップや、飲食店にもハンディキャップある人が通常生活に置いて阻害されないような法律がある。ちなみに1990年の時に通った法案らしい。ADAというのだけれど、、、

たとえば、レストランでいえば、入り口から車いすが入れない場合は、別に車いすが入れる入り口、スロープを設置しなくては行けない事。

トイレも車いすが使えるトイレを設置しなければ行けない。という法律である。

またカウンターの高さも車いすの人用に基準があったりする。

この基準が満たされないと多分営業をさせてもらえない。

 

ちなみにその設備等にかかった経費は税金の補助がある。

 

入店拒否なんか、そんな事があるなんて考えた事も無かったけど、、、通常ありえん。

 

基本的には、車いすの人も普通に皆とパーティーに行くし、もしも困っている人が居れば、当然のように周りが助けるような場合が多い。移動手段が足だろうが、車輪だろうが同じ人間って訳である。

 

そして、アメリカでは障害者だから、この店には入れないとか、雇えないとか、そういう事自体が違法なわけだ。1990年からですよ。

国が違うだけで、常識というのは全然違うものですね。

へのへのもじ子の父も車いすでした。

父は病気でした。膠原病の一種で難病を煩っていた父。闘病生活の間、しばらくは自分で歩いたのですが、後期には酸素チューブをつけ、外出時は車いすでの移動になりました。

そして、車いすが無いと移動出来なくなってしまったのは、へっぽこの結婚式の前の週。

 

父の車いすでの結婚式の参加。。可能なのか?  焦りました。

 

式場に連絡して車いすでの参列が可能かどうか。私達家族だって、車椅子の介助は初めてです。。。

移動もどうして良いのか解らなかったのでとにかく、JR、私鉄にも電話して問い合わせ。結局は車いすの対応もしてくれるタクシー会社にお願いしました。

披露宴会場は車いすでの参加は問題なかったのですが、式場の神社は最初は車いすはダメだ。と言われてしまいました。

5−6段の階段を上り、10m程先にある椅子に座るだけですから、なんとかならないかと。。。

 

めまいがしました。

 

たった、それだけの距離が、父にとっても、介助する私達にとっても永遠に長く、険しい道なりであったからです。

 

もう、ぶっちゃけ結婚式どころじゃないんです。

親戚だけを集めた結婚披露宴だったのですが、わたし、父のことしか記憶に残ってないです。

 

しかし、嬉しい事がありました。

 

車いすがダメだった、式場の神社。 なんと当日に、現状をみて考え直してくれたようで、、、

車いすでの参列を許して頂き、神社様自ら車いすを持ち上げ、介助に手を貸してくださり、階段を越え、式に参加させて頂けた事には、もう感激で、、良い経験になりました。本当に心から感謝しております。

そして、

披露宴会場での父への配慮は文句無し、まさにパーフェクト!さすがホテル。一流のおもてなし。というところでしょうか。。。タクシーから車いすへの移動の介助、などなど、沢山お世話になりました。本当に、彼らの尽力が無ければ、父の結婚式参加は無理でした。。。

 

そして、これが父とともに外出をした最後の思い出となっています。この経験は忘れる事はできません。

(ちなみにホテル東京ガーデンパレスでの結婚披露宴です。神対応をしてくれたのは、神田明神

 

本当に、有り難うございました!!!

 

 

また、鉄道各社も問い合わせた際、実に親切で、どのように補助してもらえるか丁寧に教えて頂けました。

 

こういう車椅子への社会の理解とサポートは本当に心強く、そして、必要でした。

 

父は、旅行に行きたいと生前よく言っていたので。。。

残念ながら闘病が始まってから、そういう機会には恵まれませんでしたが、、、

もし、旅行に行って、父が車いすだから搭乗拒否をされたりしたら、、、私達家族の心は悲しくて、悔しくて、砕けていたことでしょう。

 

まあ、事前に問い合わせはしたと思いますけど。。。

 

バニラエア車椅子事件の内容

木島さんは下半身が動かせない車いす利用が必要な生活をしている。

友人と奄美大島に遊びにいく事になった。

 

飛行機に乗る際に車いす利用の事を事前連絡すると色々面倒があるので、車いすの事は黙って、格安チケット購入。つまり、バニラエアだ。

 

さて、旅行の当日。

車いすで現れた木島さんに、バニラエアの職員さんは、『歩けない人は乗せられない。』と搭乗を拒否。

メインの理由は、歩けない人を搭乗させる機材が無いから。ということらしい。

タラップと言って、飛行機の機体に階段設置して乗客が乗り降りできるようになっていたのだ。タッラプの場合、車椅子の人にはストレッチャーなるものが必要になるとか。

電車の駅の階段でたまに見る、車いすを電動で上げる簡易エレベーターみたいなものだろうか。。。?

 

しかし、せっかくの旅行、だまって引き下がれなかったのでしょうね。ここを強硬突破。

 

同行していた友人の手を借りて搭乗。なのか、降りたのか。。。

まあ、この時の職員さんも、どうしようもない状況にさぞ戸惑ったでしょうね。。。

 

そして問題の帰り道。事件は起きます。

行きもそうだったように、帰りも乗車拒否されてしまう木島さん。でも、友人にかかえられて来たんだから。。。帰りもそうする。とはいかず。。。

 

それでも、ダメなものは、ダメだ。と、搭乗はさせられないと言われてしまう。

 

おそらく、この時の職員さんも意地になっているのかな。。。

この時にマネージメントや、上層部にちゃんと連絡して指示を煽っての、搭乗拒否なのか、、、受付担当の人の意地による独断での乗車拒否だったのかなあ。。?

 

おそらく、怒り狂った木島さんは、車いすをおり、動かない下半身を引きずりながら腕の力で自力で搭乗する形となった。。。逆襲である。

 

しかし、そうでもしなければ、奄美大島から予定通りには帰れない。

 

後日、バニラエア側は木島さんに謝罪。直ぐにストレッチャーを備え付け、車いすにも対応出来るように設備を整えたという。

 

結果オーライ。かな。と思いきや、そのニュースの一般からのコメントはバニラエアに対する非難もあるが、木島さんへの非難も沢山書き込まれている。

 

 

最後に。。。

長くなってしまいました。

今回のバニラエアの事件の論点がだんだん木島さんの人間性について集中して来ている気がして、、、しかし、私の父の車椅子での移動などの経験からも、、もっと別のところに深刻な問題があると思い、この記事を書きました。

 

車いすの人と境界がある社会。これがどういう事なのか、考えるべき事件だったのではないか。。。と、へのへのもじこは考えております。

 

私はたまたまアメリカにいるのでアメリカの法律などと比べてみましたが、アメリカだって、ユナイテッド空港が起こした、乗客ボコボコにして引きずり回す。という事件があったように、アメリカが全て素晴らしい訳でもありません。。。

ぶっちゃけ、アメリカに居る黄色い人種ってだけで誰に何されるか解ったもんじゃないという現状もあります。。。((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル 

 

しかしですね。世の中ぎすぎすしていますね。炎上マーケティングだ、、、とか。プロ障害者だとか。。。なんか、悲しいですね。

心に余裕が無くなるような社会になってしまっているのでしょうか、、、?

 

しかし実際には、父の車いすの介助にあたふたしていた私達家族に、あたたかく手を差し伸べて下さった方々も沢山居ます。そして、本当に、助けられました。

 

きっと、助けを必要としている人は身の回りに沢山いらっしゃいます。

親の介護など、何がおこるか解りません。他人事で済む問題ではないですよね。

 

もっと、優しい社会になったらいいのにね。